詳細：ダブル・ビニールLPプレス。2022年リリース、ライドのギタリスト兼ソングライター、アンディ・ベルのセカンド・アルバム。18曲収録のこのアルバムでは、アンディがクラシックなソングライティングへと傾倒している様子が伺えます。特に、内省的なリード・シングル「Something Like Love」、力強いハーモニーが響く「World of Echo」、喜びに満ちた屈折したループが印象的な「Jenny Holzer B. Goode」、そしてファズを多用した60年代後半のバラード「Love Is The Frequency」などがその好例です。『Flicker』の4つの側面は、モダン・サイケデリックからフィンガーピッキング・フォーク、気まぐれなバロック・ポップ、そしてバーズ風の12弦ギターの美しさまで、あらゆる要素を網羅しています。息を呑むような作品群は、アンディがソングライティングにおいて絶好調の時期を迎え、ソロ・アーティストになることへの当初の抵抗感とは対照的に、新たな速度で突き進んでいることをより一層明確に示しています。また、『Flicker』は、アルバムの誕生秘話としても的確な表現です。 2021年の初め、アンディはビーディ・アイとオアシスのバンドメイト、ジェム・アーチャーのノース・ロンドン・スタジオで行ったレコーディング・セッションの原点に立ち返り、メロディーと歌詞を書き、それらを完成形へと昇華させ、更なる情熱を燃やした。このセッションは『The View From Halfway Down』（SCR 170CD/LP、2020年）の出発点にもなっており、このアルバムは文字通り『The View From Halfway Down』の続きから始まる。冒頭の歌詞は「I was halfway down?」だ。これは、アルバムや曲名への、おそらく意図的な、遊び心のある言及の最初の例であり、音楽的なパンくずの道のように、アルバムには散りばめられている。現代的なサウンドと未来志向のアルバムであると同時に、過去を振り返る作品でもある。それは、フロントカバーを一目見れば明らかだ。このジャケットには、ライドのデビューアルバム『Nowhere』（1990年）のインナースリーブ用にジョー・ディルワースが撮影したフォトセッションからの未公開アウトテイクが使用されている。