詳細： 『Hey Now Hey』では、ソウルの女王フランクリンが、その圧倒的な力強さで、60年代後半の正統派なアトランティック・グルーヴの定石からやや逸脱した作品を展開しています。だからといって、このレコードがソウルフルでもファンキーでもないと言っているわけではありません。むしろ、その両方を兼ね備えています。しかし、曖昧でトリッピーなカバーアートから、クインシー・ジョーンズによる豪華なストリングス・アレンジメントまで、この『Hey Now Hey』がフランクリンのありきたりなシングル集ではないことは明らかです。ジョーンズと緊密に協力し、特にアイザック・ヘイズ、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイといった同時代のソウルミュージック・アーティストたちの、長大で精巧、そして先見性のある作品群からヒントを得ながら、フランクリンはブルース、ジャズ、教会音楽の要素を融合させ、優れたプロダクションとサイケデリックとも言えるオーケストラの技巧でアルバムをまとめ上げています。オリジナル曲の中には、ボビー・ウーマックの「That's the Way I Feel About You」や映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の「Somewhere」の新鮮な解釈も含まれています。全体として、『Hey Now Hey』はフランクリンの作品群に加わった、他に類を見ない注目すべき作品です。ワーナー、2005年。