詳細: 2020年リリース。 「Suite: April 2020」は、私たち皆が身を置くこの世界における、この1ヶ月の生活を音楽的に捉えたスナップショットです。私は、多くの人にとって新しくもあり、同時に共通する経験や感情を、ピアノで音楽的に表現しようと試みました。例えば「keep distance(距離を保つ)」では、左手と右手で表現された二人の社会的距離の経験を辿りました。二人は不自然に引き離されながらも、説明のつかない、そしておそらく啓発的な方法で繋がり続けているのです。新型コロナウイルス感染症は多くの人にとって困難なものでしたが、その過程で啓示の瞬間もありました。「Stopping, listen: hearing(立ち止まり、耳を傾ける)」は、まさにその瞬間を際立たせています。ここ1ヶ月以上の間に湧き上がった強い感情のいくつかを取り上げました。「remembering before all this(この全てが起こった前のことを思い出す)」は、ほんの数ヶ月前の出来事を思い返し、今ではどれほど遠い昔のことのように思えるかを思い出すたびに、何度も突然襲ってきたほろ苦い胸の痛みを表現しています。「Uncertainty(不確実性)」は、その後に続く、未知の未来への空虚な不安。また、豊かな時間と近さのおかげで、これまで以上に家族と深くつながる貴重な機会にも恵まれました。最後の3曲は、その繋がり、つまり一緒に食事を作ったり、ただ遊び回ったりすることで得られる調和について歌っています。「Lullaby」は、今なかなか眠れないかもしれないすべての人に捧げます。ニール・ヤングの「Don't Let It Bring You Down」の歌詞は、私にとって常に心の支えであり、これまで以上に心に響いてきました。「落ち込むな/燃えているのは城だけだ/向きを変えようとしている人を見つけろ/そうすれば、きっと立ち直れる」と歌うこの歌詞は、私にとって常に心の支えとなっています。8歳の頃から大好きなビリー・ジョエルの「New York State of Mind」は、長年故郷と呼んできた街へのラブレターです。今は遠く離れてしまいましたが。あの街にはたくさんの知り合いがいて、とても恋しいです。そして、あの素晴らしい街が今どれほど辛い思いをしているのか、よく分かります。また、いつかはそれがやってくることもわかっています。」