詳細：ルネサンス黎明期、オランダ南部の都市スヘルトーヘンボスは、教会や修道院が数多く存在し、「小ローマ」とも呼ばれていました。この宗教的舞台の中心となったのは、1318年に設立された聖母マリア同胞団（Illustre Lieve Vrouwe Broederschap）でした。著名な画家ヒエロニムス・ボスも会員に名を連ねたこの信仰深い組織は、礼拝堂で様々な多声音楽が演奏されるよう、最高の歌手やオルガン奏者を募集・雇用することに多大な投資を行いました。このレパートリーを収録した聖歌集は、現在も9冊以上保存されています。何世紀にもわたる沈黙の後、この壮大なコレクションはついに再び響き渡ります。スヘルトーヘンボスを拠点とするカペラ・プラテンシスは、5年間のプロジェクト「デン・ボス合唱集」（2020～2024年）を通じて、これらの写本にふさわしい注目を集めています。このプロジェクトには、数多くのコンサート、ワークショップ、出版、講演、そして5枚のアルバム・シリーズが含まれています。この録音は、聴く人を、晴れた春の日にスヘルトーヘンボスの聖ヨハネ福音史家教会の礼拝堂に集まった信徒たちの一人になったような気分に誘います。5月6日は、ラテン門前の聖ヨハネの大祝日であり、西暦92年に福音史家が殉教を試みたことを記念する日です。