詳細: LPレコードプレス。2022年発売。『Heartmind』で、キャス・マッコームズはキャリアにおいて2桁アルバムという段階に突入した。これはどのソングライターにとっても量的に稀有な領域だが、さらに稀有なのは、彼がまだ同じ考えを2度(あるいは1度さえも)歌うという、質的なサウンドやパターンに落ち着いていないように見えることだ。「Karaoke」のような曲は、キャスがこれまでに作ったどの曲にも劣らず魅力的な、神レベルのパワーポップの完成度を炸裂させている。弾むようなスタッカートのギター、蒸発したようなエレクトリックキーボード、歌ったり、手拍子したり、踊ったりするために生まれたかのようなメロディー。キャスは、ザ・ゴー・ビトウィーンズ、ザ・デシベルズ、ザ・キュアーといった面々の間に、独自の地位を築き、そこに灯台のように揺らめいている。そしてもちろん、この歌には、たとえ痛ましいとしても遊び心のある歌詞の構想がある。それは、神聖な誓いの儀式をすべて行っている恋人の気持ちは、混雑したバーのテレビ画面から「Vision of Love」や「Stand by Your Man」の歌詞を読んでいる人と同じくらい深くも本物でもないかもしれない、というものだ。