詳細:この美しい7枚組CDクラムシェル・ボックスセットには、チェット・ベイカーのタイムレス・レコード・アルバム・コレクションが完全収録されています。7枚のアルバムはそれぞれ独立したウォレットスリーブに収められ、写真とライナーノーツを掲載した16ページのブックレットが付属しています。チェット・ベイカーのタイムレス・レコード初録音は、ピアニストのカーク・ライトシーが率いる公演にサイドマンとして参加した際に録音されたもので、「レイズ・アイディア」と「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」(彼自身もこの曲を巧みに歌っています)が演奏されました。アルバム『ミスター・ビー』では、トランペット奏者のベイカーが、ハンコックの「ドルフィン・ダンス」、ホレス・シルバーの「ストローリン」、サム・リヴァースの「ベアトリス」といった曲を、まるで彼のために書かれたかのような演奏で聴かせてくれます。『ミスター・ビー』はインストゥルメンタル・アルバムですが、『チェット・ベイカー・シングス・アゲイン』では、ベイカー自身が歌と演奏を披露し、ジェリー・マリガン時代から彼のトレードマークとなっていた「マイ・ファニー・ヴァレンタインの歌」を含む8曲を演奏しています。ベイカーは、ギタリストのフィリップ・キャサリンの多才でセンスのある演奏を常に楽しんでいました。彼らは記憶に残るトリオ・アルバムを数枚レコーディングしましたが、1985年にユーゴスラビアのザグレブで制作された『There'll Never Be Another You』は、彼らの唯一のデュエット・アルバムです。『Cool Cat』と『As Time Goes By』は、どちらも1986年12月17日から18日にかけて行われた、このトランペット奏者の長時間のレコーディング・セッションからのものです。ピアニストのハロルド・ダンコ、ベーシストのジョン・バー、そしてドラマーのベン・ライリーは、さりげない伴奏だけでなく、トランペット奏者を少し刺激し、この時期の彼の最高傑作の一つとなりました。『Timeless』に収録されたチェット・ベイカーの最後のアルバム、『Live In Rosenheim』は、1988年4月17日に収録され、彼が少人数グループでレコーディングした最後の作品となりました。「I'm A Fool To Want You」でボーカルを、『Portrait In Black And White』でピアノを弾くベイカーは、キャリアの晩年においてもなお、彼が素晴らしいトランペット奏者であったことを示しています。そのわずか26日後、チェット・ベイカーはこの世を去りました。それにもかかわらず、彼の録音と音楽の遺産は生き続けています。