詳細： Coti K.が、Dark Entriesにバレアリック・アンビエントの甘美な5曲をお届けします。イタリア系ギリシャ人ミュージシャン、コスタンティーノ・ルカ・ロランド・キリアコスは、80年代半ばからアテネのエレクトロニック・ミュージック・シーンのパイオニアとして活躍し、作曲家、サウンドエンジニア、インスタレーション・アーティストなど、多岐にわたる分野で活躍しています。数々のプロジェクトやコラボレーションを手がけ、Tuxedomoon、Stereo Nova、In Trance 95、RAW（Dark Entriesより再発済み）など、数々のアーティストと作品を制作しています。1994年にリリースされたCoti K.名義の初リリースとなる『Theros』は、軽快なダウンテンポのビートが特徴の3曲で、スムーズなブレイク、ブーミーな808ビート、そしてコズミックにチルなパッドとピアノが溢れています。世界的なアンビエント・エレクトロニカ・ムーブメントの潮流に呼応し、Coti K.は「Argonauts」や「Theros」といった曲名で、ギリシャのルーツを垣間見せてくれます。タイトルトラックには、Stereo NovaのKonstantinos Bhtaによるスポークンワードが収録されており、ギリシャのゴスバンドFlowers of Romanceのドラムループをベースに構築されています。ゆったりとした雰囲気の「Blue」では、ポータブルテープレコーダーで録音されたChristina Morakiのボーカルがフィーチャーされ、インストゥルメンタルの「Argonauts」ではNikos Veliotisのチェロが力強く響きます。このリイシューには、Cotiの1997年のデビューLPから「Shoal」と「Notte Estiva」という2曲が収録されています。これらはこれまでアナログレコード化されておらず、CotiがアンビエントやIDMといったスタイルに挑戦している様子が伺えます。『Theros』のカバーアートは、RAWのGiannis Papaioannouが撮影した海の写真で、Macintosh LCで初期のデジタル処理が施されています。Cotiの『Theros』は、地中海ならではの独特のひねりを加えた、90年代のノスタルジアをタイムリーに表現した作品です。