詳細:ウィリアム・カウント・ベイシーは、20世紀中盤のジャズ界において、ピアニスト、作曲家、そしてバンドリーダーとして、最も重要かつ革新的で影響力のある人物の一人です。彼の音楽は、スモール・グループ・ジャズ、ビッグ・バンド・ミュージック、スウィング、R&Bといったジャンルの枠を超え、彼のオーケストラとの共演から、このジャンルの未来のスターとなる多くのミュージシャンが輩出されました。カンザスシティでベニー・モーテンのバンドで腕を磨いたベイシーは、モーテンの死後、1936年に自身のオーケストラを結成。シカゴでの長期滞在を経てデッカ・レコードと契約し、1930年代の終わり近くまでレコーディングを行いました。この63曲を収録した3枚組CDセットは、当時デッカ・レコードからリリースされた作品を収録したもので、彼のバンドの才能とスタイルを示す指標となり、意義深く充実した作品集となっています。このコレクションには、「ワン・オクロック・ジャンプ」、「ブルー・アンド・センチメンタル」、「ブルース・イン・ザ・ダーク」といった彼の有名な楽曲に加え、当時のクラシック・スタンダード曲も多数収録されています。ジミー・ラッシングやヘレン・ヒュームズといった名歌手のボーカルがフィーチャーされたトラックも数多く収録されており、ビッグバンドによる演奏が中心の録音の中には、フレッド・グリーン、ウォルター・ペイジ、ジョー・ジョーンズからなるトリオ編成のベイシーによるものも含まれています。他にバック・クレイトン、レスター・ヤング、ハリー・エジソン、ディッキー・ウェルズといったミュージシャンも参加しています。ベイシーのキャリアにおける重要な時代を、充実した内容で、楽しく、啓発的に概観できる作品です。