詳細： Current Joysの7枚目のLP『Voyager』は、Rattiganのこれまでの作品すべてに見られる躍動感、つまり震えるような、まるで叫び声のように嗄れたボーカルと、歌を通して自己を問いかけるような感覚に満ち溢れている。しかし本作では、その苛立ちと感傷に満ちたロックンロールのカコフォニーに、サウンドトラックのオーケストラが重なり、それを導き出す。それは16曲に及ぶ壮大な自己発見の旅、オデッセイだ。エクフラシスとパーソナルな要素を織り交ぜながら、Rattiganはアルフレッド・ヒッチコック、テレンス・マリック、アニエス・ヴァルダ、アンドレイ・タルコフスキーといった映画監督たちの、高度に様式化された印象的なストーリーテリングに触発されながら、自身の感情やアイデンティティを理解するための新たな方法を学んでいく。『Voyager』は、Current Joysがこれまでリリースしてきたどの作品とも異なる作品だ。 ラティガンの新作LPでは、ローファイなホームレコーディングを断念し、フルバンドでのレコーディングとスティンソン・ビーチ・スタジオでのセッションを敢行。もう一つのバンド、サーフ・カースでボーカル兼ドラマーを務めていたラティガンは、ついにプロ仕様のスタジオで制作するという可能性に目覚めたのだ。 これらすべては、ラティガンの創作プロセスの熱意によって支えられている。彼は音楽の予感の力を信じ、抽象的な実存主義や感情のほとばしりに突き動かされながら、その瞬間に心に響く曲のアイデアにしがみつく。それが『ヴォイジャー』に強烈さと親密さを与えている。まるで、プロジェクト、あるいは人物を、広大な映画のような全体像へと作り上げる、ばらばらの要素を一度に聴き取っているかのような感覚だ。