詳細： Drab Cityのデビューアルバムは、酔わせるような脱臼感に包まれている。無邪気さと経験を歌った楽曲が、ダブ、ヒップホップ、ドリームポップ、ジャズのサウンドトラックの雰囲気と融合し、陶酔感を生んでいる。Drab Cityは、社会的疎外、暴力的な復讐、そして（おそらく）救済としてのロマンチックな愛に執着している。音楽の世界では目新しいテーマではないが、2020年にDrab Cityを聴くと、いかに珍しいものになったかに驚かされる。歌詞的には、これらの曲はパンキッシュな不安や憤りを投影していることが多い。ドリーミーで空気のような、フルート、ビブラフォン、ジャジーなギターコードのメロディーを基盤とした楽曲は、ドラムマシンやファンク風のガールグループポップに瞬時に切り替わる。20世紀の参照が次々と統合失調症のようなペースで組み合わさり、全体的な効果は、私たちの狂乱した現代でしか生み出せないものである。キャッチーでありながらもどこか懐かしさも感じさせる、メロディアスで心地よいサウンドスケープは、このバンドの反社会的な考え方を表現するトロイの木馬だ。