詳細:フローティング・ブリッジの物語は1960年代半ばのシアトルから始まります。ギタリストのリッチ・ダンゲルは、ザ・ウェイラーズ、あまり知られていないザ・ルークス、そしてタイム・マシンの後期形態のメンバーでした。1967年にタイム・マシンが解散すると、ダンゲルとベースのジョー・ジョンソンは自分たちのバンドを結成することを決意します。ギタリストのジョー・ヨハンセンとドラマーのマイケル・マリネッリをメンバーに加え、アンノウン・ファクターとして活動を開始しました。アンノウン・ファクターは、パティ・アレンやロン・ホールデンといった地元のアーティストのバックバンドとして活躍する、雇われバンドでした。1968年には、元パンチのシンガー、パット・ゴッサンがラインナップに加わりました。彼らはシアトルのイーグル・オーディトリアムのハウスバンドとなり、1968年のスカイ・リバー・ロック・フェスティバルで注目を集めました。この知名度の高さが、ロサンゼルスを拠点とするヴォールト・レコードの注目を集め、1968年にシングル「Brought Up Wrong」と「Watch Your Step」をリリースしてバンドをデビューさせました。このシングルは大きな反響を呼び、ヴォールト・レコードは続編アルバムの制作資金を調達しました。 1969年にバンド名をフローティング・ブリッジに変更してリリースされたこのアルバムは、プロデューサーにジャッキー・ミルズを迎えました。ダンゲル、ジョンソン、ゴッサンがオリジナル曲のほとんどを担当し、「Brought Up Wrong」、初期のシングル「Watch Your Step」、「Three Minute & Ten Second Blues」といった曲は、ヘンドリックスにインスパイアされた独特の重厚なサウンドが特徴です。ゴッサンの力強い歌声と、ダンゲルとヨハンセンのツインリードボーカルに支えられた『フローティング・ブリッジ』は、1960年代後半のサイケデリック・ロックの傑作でありながら、あまり知られていないレア・アルバムの一つです。ついにデジタル配信で入手可能となり、全曲が新たにリマスターされています。