大林宣彦監督の筆舌に尽くしがたい1977年の映画『HOUSE/ハウス』をどう形容すればいいだろうか？サイケデリックな幽霊物語？意識の流れを描いた寝る前に読む物語？マリオ・バーヴァ監督の『スクービー・ドゥー』？どれをとっても、この幻覚的な精神世界への旅にはぴったりだ。6人のクラスメイトと共に病弱な叔母の古びた田舎の家に旅する少女が、そこで悪霊、悪魔のような飼い猫、血に飢えたピアノ、そしてその他様々な不気味な幻覚に遭遇する。これらはすべて、大林監督がマット、アニメーション、コラージュといった様々な効果を用いて実現している。不条理と悪夢が入り混じる本作は、まるでどこか別の惑星から地球に転送されてきたかのようだ。アメリカではこれまでホームビデオで発売されたことがなかった本作は、近年のカルト的発見の中でも最も刺激的な作品の一つと言えるだろう。