詳細： LPレコードプレス。ボーカリスト、ソングライター、ギタリストのダナ・フットによるプロジェクト、サー・クロエのデビューアルバム『I Am The Dog』。グラミー賞受賞プロデューサーのジョン・コングルトン（ラナ・デル・レイ、セント・ヴィンセント、エンジェル・オルセン）を迎え、テディ・ガイガー（キャロライン・ポラチェック、シルヴァン・エッソ、リッツォ）とサラ・タジン（ワイズ・ブラッド、エイメン・デューンズ、スロウダイヴ）が作詞作曲に参加した『I Am The Dog』は、サー・クロエのスリリングで矛盾した性質を凝縮したもの。アルバムのテーマは、生来の混沌の中で制御を見つけることに取り組み、この緊張を浮き彫りにして問いただすが、結局はそれを不安定にして再び混沌を選ぶというもの。フットの感情的でダイナミックな声に支えられたこのアルバムは、表現と隠蔽の境界線を歩き、率直でありながらも曖昧な歌詞で、言葉にできないものへのフェティッシュな魅力を放っている。この絶え間ない押し引きによってアルバムは前進しているが、フットの目的は休息することではなく、むしろなぜ休息できないのかを問うことである。