詳細:このアルバムの音楽は、13世紀から14世紀にかけての、イタリア中北部でコムーネとシニョリーエが台頭した、歴史上類まれな特別な時代に生まれたものです。帝政と教皇庁の闘争終結後の休戦時代に、イタリアの国民感情は精神的、芸術的、政治的、そして社会的に大いに燃え上がりました。この豊かな環境の中で、新しい音楽芸術「アルス・ノヴァ」が開花しました。オルガナを用いた最初の実験からノートルダム楽派の高度に洗練された実践へと至った、12世紀から13世紀のアルス・アンティクアの典礼ポリフォニーとは対照的に、「アルス・ノヴァ」という用語は、13世紀のフランスと14世紀以降のイタリアにおける世俗ポリフォニー音楽の発展を指しています。 14世紀イタリア音楽における愛というテーマにアルバムを捧げるというアイデアは、この分野のディスコグラフィーの豊かさと多様性を考えると、少々使い古されたように思えるかもしれません。しかし、愛についての考察は、700年前の男女にとってそうであったように、紛れもなく私たちの生活の中心であり続けています。「Ch'amor mi prese」で彼らの声を解釈し、新たな命と意味を吹き込むのです。人間性には、時代を超えて本質が変わらない要素があります。愛という感情もその一つです。愛は新たな形や異なるコードで表現されますが、その最も奥深い本質は時の経過によって影響を受けません。愛の対象、あるいはそのインスピレーションが人間であるか神であるかは問題ではありません。愛は、それを感じた人々に、古今東西の詩人、作家、作曲家、哲学者、神秘主義者たちが言葉や音楽で表現しようとしてきた、説明のつかない圧倒的な困惑をもたらします。