詳細：オリヴィエ・ラトリーは、ラ・ドルチェ・ヴォルタとの初CDとして、ヨハン・セバスチャン・バッハの音楽に捧げられたプログラムを選んだ。彼が正式オルガニストを務めるパリのノートルダム大聖堂の巨大なカヴァイユ＝コル・オルガンで録音されたこの録音は、数々の興味深い疑問を提起する。 「私のアプローチは、いくつかのパラドックスを浮き彫りにします。まず第一に、プロテスタントの重要な作品をカトリックの最も象徴的な中心地の一つで演奏するという考え方、そしてまた、控えめに言ってもバロック様式や古典派のオルガン製作様式からかけ離れた楽器で演奏するという考え方です。確かに、これらすべてが疑問を投げかけます。 しかし、私にとって最も重要な問題は、音楽における真正性の問題です。正直に言うと、この概念はしばしば私にとって囮のように思えるのです。…したがって、この文脈でバッハを演奏するということは、音楽の精神と文面を保つために新たなバランスを見つけることを意味します。どちらか一方を切り離すことはできません。 「すべての演奏家はそれぞれの時代の楽器で演奏します。そして、私がノートルダム大聖堂に持っている楽器は傑出したものです。過去に抗うことはできませんし、抗うべきでもありません。むしろ、それを吸収するべきです。そうすることで、そこからインスピレーションを得て、自分自身の道を見つけることができるのです。私たちは真正性について語るのではなく、もっと冷静に、誠実さについて語るべきです。」