詳細：サン・レコードの初期ロックンロール・アーティストはほぼ全員が南部出身でした。この形成期における唯一の例外は、デトロイト出身のジョン・パヴリク、通称ジョニー・パワーズでした。デトロイトの名門レーベル、フォーチュン・レコードから最初の曲をリリースしたパワーズは、カール・パーキンスやエルヴィス・プレスリーのシングルを聴き漁った後、サン・レコードと契約することを決意しました。サン・レコードからリリースされた唯一の作品「ウィズ・ユア・ラブ、ウィズ・ユア・キス」と「ビー・マイン、オール・マイン」は、サン・レコードのカタログの中でも非常に貴重な一枚です。A面は力強く、ポップなスネア、ブリッジで鳴り響くサックス、そしてパワーズの情熱的な歌声が全編に響き渡ります。B面はブギー・ロック寄りの曲で、ポストコーラスには忘れられないファルセット・ボーカルのメロディーが響き渡ります。フォーチュンとサンの後、パワーズはモータウン・レコードからレコードをリリースしました。3つの非常に多様なレーベル全てでレコーディングを行った唯一のアーティストと言えるでしょう。初期ロック史の金字塔とも言えるこのアルバムは、見逃せない作品です。