詳細：北インド古典音楽の王様楽器であるシタールの卓越した演奏で満場一致の称賛を受けるクシャル・ダス。特に、愛好家（ラシカ）の間では、スルバハールの技巧で高く評価されています。この「ベース・シタール」は、繊細なアラップに最適な長いサステインを特徴としており、ラジオ・フランス・オーディトリアムで行われたラガ「ダルバリ・カナダ」のコンサートで演奏されました。「ダルバリ」という形容詞はペルシャ語で「王宮」を意味し、このコンサートは実に2時間近くにわたる「荘厳な」コンサートでした。オーディトリアムで行われたインド古典音楽の初コンサートにおいて、会場の音響、ラガの選択、楽器、そして演奏者の素晴らしいハーモニーが披露されました。クシャル・ダスはタブラ伴奏で他のラガも演奏しましたが、このディスクの主題はダルバリ・カナダというラガだけです。「アラップ」とは、ラガの即興的な前奏曲、提示部、展開部です。これらの用語は、本当の意味の近似値に過ぎません。なぜなら、熟練した人が完全なアラップをこのように演奏する場合、それはそれ自体がはるかに独立した世界であり、その中でアーティストは伴奏なしで、ラガに捧げる自身の音楽的思考の極みを独りで表現するからです。ダルバリ・カナダはディープナイト・ラガで、間違いなく最も習得が難しいラガの1つです。その旋律のルールを通して、広がり、威厳、深みを帯びた感情的な衝撃を最大限に解き放つには、かなりの音楽的成熟が必要です。基本的なラガであるダルバリ・カナダは、ラガにおいて、音符（スワラ）は「文脈の中の音符」として考えなければならないという事実を完璧に例証するものでもあり、装飾、比率、強弱の選択が非常に重要である。