詳細：ミケーレ・パソッティ指揮によるアンサンブル「エニグマ・フォルトゥーナ」は、アンサンブル「ラ・フォンテ・ムジカ」が、アントニオ・ザカラ・ダ・テーラモ（1355-1416）の謎めいた風変わりな個性に光を当てる作品です。ボッカッチョ、ドナテッロ、ブルネレスキと同時代人であったこのアブルッツォ地方出身の作曲家は、いわば音楽界のヒエロニムス・ボスと言えるでしょう。というのも、彼が作曲した歌詞は、猥褻、空想、グロテスクが入り混じる「混乱した世界」を想起させるからです。バラッタ「愛を吐く者よ、私を理解できる者は理解せよ。なぜなら、私は自分自身を理解しているからだ」という彼の詩は、400年後に活躍するロマン派の芸術家たちの傲慢な自己中心性を予兆しています。ザカラの全作品の世界初演となる4枚組アルバムで、ラ・フォンテ・ムジカは、ザカラの音楽を理解するための最初の一歩を踏み出します。そして、芸術の時代を超えた性質を通して、現代と同じように「混乱」しているように見える、いわゆる「復興」の時代を理解するための第一歩となるでしょう。