詳細：マーガレット・チャベスの新作フォークロック作品『Into An Atmosphere』は、ヘッドフォンで聴くと唸る傑作だ。コンシークエンス・オブ・サウンド、モジョ、アンカットといっ​​たメディアが、プロジェクトの立役者マーカス・ウィリアム・ストリップリンの数々の美点を称賛してきた理由は、最初のトラックから明らかだ。この音楽は紛れもなく野心的で、ラテン・フリーク・フォークのリズムと、このマイクロジャンルが全盛期でさえ決して挑戦しようとしなかった時事性を融合させている。しかし、このレコードをフォーク、あるいはフォークロックと呼ぶのは、ストリップリンがリバーブの効いたギター、うねるシンセサイザー、そして躍動感あふれるアコースティック・ギターを織り交ぜ、アンカットが「アメリカーナの卓越性の証」と呼ぶ作品を生み出しているこのアルバムの進歩的な精神を軽視することになるだろう。ストリップリンの辛辣なウィットが前面に押し出され、優しく囁くような歌声と軽快なサウンドは、深い哀愁と政治意識を描いたアルバムにつきものの決まり文句を凌駕する。モダン・インディー・ロック、サイケデリック、2000年代半ばのオルタナティブ・カントリー、そしてフォークといった要素を織り交ぜ、ストリップリンはチャイムのようなアコースティックサウンドとブツブツと響くエレクトロニクスの層に乗せて歌い上げ、心地よい子守唄から、エコー＆ザ・バニーメンやザ・キュアーがキャリアを築いたようなカタルシスに満ちたアンセムへと楽曲を発展させていく。ストリップリンはついに自身の心の闇の一部を消し去り、そのカタルシスをこのニューアルバムに注ぎ込むことに成功した。それは、集中した怒りと共感に満ちた心情が込められた作品だ。内なる葛藤から生まれ、アメリカの類似した苦悩を描いた『Into An Atmosphere』は、希望を歌っている。ソングライター自身もそのことを恥ずかしそうに認めている。「選挙の年にリリースされたのは偶然ではないと思う」