詳細:ピアノの音は本質的に二つの部分、つまりアタックとディケイから成ります。ハンマーの打撃の後には、一本または複数の弦の共鳴が続きます(ビブラフォンについても、ほぼ同じことが言えるかもしれません)。ニューヨークを拠点とする作曲家マイケル・ヴィンセント・ウォーラーの『Moments』を聴くと、この二つの音の質が思い浮かびます。ピアニストのR・アンドリュー・リーとビブラフォン奏者のウィリアム・ウィナントによって演奏される『Moments』は、『Trajectories』(Recital、2017年)、『The South Shore』(XI、2015年)に続く彼の3枚目のアルバムで、旋法メロディー、三和音ハーモニー、韻律リズムを用いることで、西洋クラシック音楽の伝統の最も典型的な形式を引き継いでいます。しかし、この音楽の感情的な核心はアタックではなく、共鳴にあります。音の余韻。それは、簡単に歴史的なカテゴリーに当てはめて捉えたり、分類したりできない要素なのです。ウォーラーは、表面的な攻撃の裏に、私たちを内省へと誘う、霞がかった、境界のない領域を見出します。それは「内なる視線」です。ウォーラーの音楽はしばしばエリック・サティと比較されますが、その簡潔さ、微妙な非対称性、そして装飾のなさには、確かにサティ的な何かが感じられます。しかし、サティのグノシエンヌ、ノクターン、ジムノペディが意図的に何も意味を持たぬ白紙のキャンバスであったのに対し、ウォーラーの作品は、そこに満たされるべき器なのです。これはタイトルの影響も一部あります。このディスクに収録されているウォーラーの作品は、どれも自伝的な感傷に満ちた「瞬間」です。追悼、誕生日、帰郷、友人、教師、家族。私たちは明らかに、これらのサウンドにある種の感情的な期待を託すよう招かれています。ライナーノーツはティム・ラザフォード=ジョンソンと「ブルー」ジーン・ティラニーによるものです。デジタル版とCD版のマスタリングはデニス・ブラックハムが担当しました。レコード用にマスタリングとカッティングはRashad Beckerが担当しました。