詳細:結成10周年を機に、Monoが5枚目のスタジオアルバムとなる超大作『Hymn To The Immortal Wind』を引っ提げて帰ってきた。音楽は荘厳そのもので、Monoのトレードマークであるノイズの壁が、バンド史上最大の室内オーケストラを美しく叩きつける。楽器編成は多岐にわたり、弦楽器、フルート、オルガン、ピアノ、グロッケンシュピール、ティンパニが、彼らの定番の息を呑むようなセットアップに組み込まれている。『Hymn』はMonoの音楽全体に内在する映画的なドラマ性を引き続き掘り下げつつ、ダイナミックな変化は静寂から大音量への変化ではなく、暗から明への変化へと変化している。これらの要素を巧みにバランスさせる成熟さこそが、Monoの最大の美点となっている。ベートーベンのコンサートに飛行機が激突したかのような不思議なサウンドを生み出す能力はさておき。