詳細：ニルヴァーナの3枚目にして最後のスタジオアルバム『IN UTERO』は、1993年で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムだと言っても、この10年間で控えめな表現だろう。スティーヴ・アルビニによる飾り気のない生々しい音は、カート・コバーン、クリス・ノヴォセリック、そしてデイヴ・グロールがレコーディングした、最も挑戦的でありながらも繊細な作品の、原始的なニュアンスを余すところなく露わにした。1991年の前作『NEVERMIND』は約3000万枚を売り上げ、正統派ロックンロールをポップチャートのトップに返り咲かせたが、『IN UTERO』はニルヴァーナが世間の期待を背負って制作した最初のアルバムと言えるだろう。 「サーヴ・ザ・サーヴァンツ」の冒頭のやや混乱したメロディから、「オール・アポロジーズ」のほろ苦いラストまで、『イン・ユーテロ』は、当時最も素晴らしくも葛藤を抱えた絶頂期のロックンロールバンドのサウンドを体現していた。彼らは、想像もしていなかった世代を代表するバンドの地位を受け入れ、最終的にその苦難を乗り越え、自分たちが作るべきレコードを作り上げようとしていた。この20周年記念リイシュー盤には、2013年にアビー・ロード・スタジオでリマスターされたオリジナルアルバムが収録されている。