詳細:オニクスが9枚目のスタジオアルバム『Onyx Versus Everybody』をリリース。デビューから30年近く経った今でも、オニクスは生々しいエネルギー、紛れもない大胆さ、そしてカルチャーの鼓動を保っている。10曲収録のこのLPは、ビッグ・ツイン、リッキー・バッツ、ハード・ラック、ターマノロジーといった面々が出演するストリート・ストーリーが満載の、まとまりのある作品だ。オニクスの熱狂的なファンなら、このアルバムは彼らの伝説的なキャリアにおける最高傑作の一つに数えられるだろう。スティッキー・フィンガズによると、このアルバムはわずか2週間で完成したという。これは、バンドの新しいソングライティング手法のおかげもある。「ほとんど何も書いてないんだ」と彼は回想する。「少しは書いたけど、新しいテクニックを使って、ただバイブスに身を任せて曲作りをするんだ。すべてバットケイブでレコーディングした。そこはフレドロのスタジオだ」。フレドロは、セカンドアルバムに収録されている名曲「Last Dayz」が、ニューアルバムの制作のインスピレーションになったと語る。 「『Last Dayz』はヒップホップのクラシックビートだよ。8 Mileに収録されて、それがさらに伝説的な存在になった。だから、アルバムにあのバイブスを盛り込みたかったんだ」と彼は言う。「ビート作りに関しては自分の持ち味を全て出し切ってるし、スタイルもずっと変わっていない。だから1996年っぽいサウンドなのは、ビートの作り方を変えなかったから。プロデュースに関しては、フレドロは業界最高にハードなトラックを作ると言ってるけど、彼はそのエネルギーをニューアルバムにも持ち込んでいる。「ビートマシンからは何も生まれない」と彼は付け加えた。「ハイハットすら使わない。自分のドラムを持ってる。自分でドラムを叩く。俺のドラムはダーティー。ダーティーである必要がある。俺のドラムはダーティーなんだ」 「ヒップホップ界で一番汚くて、最も陰鬱なビートを手に入れたんだ」。彼ら特有のハードコアな歌詞と荒々しいプロダクションを備えた『Onyx Vs Everybody』は、2022年上半期のベストアルバムにふさわしい力強い作品だが、彼らが求めているのはそれではない。「『Onyx Vs Everybody』は今年最もホットで、最も陰鬱で、最もダーティーなアルバムだ」とスティッキー・フィンガズは豪語する。「年間ベストアルバムなんて欲しくない。それは彼らに任せればいい。これは今年最も陰鬱なアルバムなんだ」