詳細：情熱、優雅さ、そしてダイナミズムを兼ね備え、イタリアオペラとフランスオペラの両方で卓越した才能を発揮するロベルト・アラーニャは、30年以上にわたり世界を代表するテノール歌手の一人として活躍してきました。パリ近郊でシチリア出身の両親のもとに生まれ、1988年にフィラデルフィアで開催されたパヴァロッティ・コンクールで優勝。その後、ロンドンでプッチーニ作曲「ラ・ボエーム」に出演した際には、『オペラ』誌から「新世代のイタリア・テノール」と評されました。独特のフレージングとディクションは、常に高い評価を得ています。アラーニャの録音作品は膨大で、権威ある『グローブ・ブック・オブ・オペラ・シンガーズ』は、彼の録音は「アラーニャの音色の悲痛な叙情性と、彼のスタイルに宿る魅力的な情熱と内なる炎」を如実に物語っていると評しています。アントニオ・パッパーノ指揮による録音におけるヴェルディ作曲「ドン・カルロ」の主役の解釈について、ニューヨーク・タイムズ紙は「彼の深く叙情的でありながら洗練された歌唱は、まさに驚異的だった」と評しました。この33枚組CDボックスには、ビゼー、ドニゼッティ、グノー、マスネ、オッフェンバック、プッチーニ、ヴェルディによるオペラ全曲が収録されており、1992年から2017年にかけてEMIクラシックス、ヴァージン・クラシックス、ワーナー・クラシックス、エラートから発売されました。このボックスは、アラーニャとソプラノ歌手アンジェラ・ゲオルギュー（1996年から2013年まで妻）および指揮者アントニオ・パッパーノとの、実りある芸術的パートナーシップを記録した作品となっています。録音には、ソプラノ歌手のナタリー・デセイ、マリエラ・デヴィア、スミ・ジョー、アレクサンドラ・クルザク（2015年からアラーニャの妻）、カリタ・マッティラ、ルース・アン・スウェンソン、レオンティーナ・ヴァドゥヴァ、メゾソプラノ歌手のラリッサ・ディアドコヴァとヴァルトラウト・マイヤー、バリトン／バスバリトン歌手のガブリエル・バッキエ、トーマス・ハンプソン、サイモン・キーンリーサイド、ルドヴィック・テジエ、ホセ・ファン・ダム、バス歌手のサミュエル・レイメイとルッジェーロ・ライモンディ、そして指揮者のケント・ナガノ、エヴェリーノ・ピド、ミシェル・プラッソン、アルベルト・ヴェロネージ、マルチェロ・ヴィオッティらが参加しています。33枚のCDは、オリジナルのアートワークをモチーフにしたウォレットカバーに収められ、多数の写真が掲載された3か国語のブックレットには、フランスのオペラ専門家シルヴァン・フォールによるアラーニャの伝記記事が掲載されています。