詳細：スワンプランド以前のパースでのザ・サイエンティストの日々が、1978年と1979年の未発表ライブ音源をほぼ網羅したこのコレクションに見事に凝縮されています。この頃は、元ヴィクティムズで後にフードゥー・グルズのドラマーとなるジェームズ・ベイカーがギタリスト兼シンガーのキム・サーモンと共にバンドを率いており、ポスターには「ザ・グルーヴィーズとザ・ハートブレイカーズの伝統を受け継ぐロックンロール」と書かれていました。パースを拠点とするこのメンバー構成は、傑作シングル「フランティック・ロマンティック」と「ラスト・ナイト」を収録したセルフタイトルEPを制作しました。また、死後にリリースされたLP「ピンク・アルバム」も制作しましたが、粗悪なプロダクションとメンバーの縮小により、大きな失望を残しました。 『Not For Sale: Live' 78/79』は、ライブ音源とリハーサル音源を収録したコレクションで、バンドが当時の45回転レコードと同じサウンドを奏でている様子を捉えています。ファンに人気の曲のライブバージョンや、LP収録曲のほとんどを大幅に改良したバージョンに加え、これまで未発表だったオリジナル曲やカバー曲も多数収録されています。結成から数ヶ月で自ら名乗っていた「ザ・レジェンダリー・サイエンティスト」の真の姿がここにあります。 メインセットは1979年後半のメルボルン3RRRからの生放送です。同じラインナップは、79年にグループの行きつけの場所の一つであるガバナー・ブルーム・ホテルで友人が録音した、ごく初期のライブ音源にも収録されています。この音源を大音量で再生すると、まるでパブで、しかもひどいPAシステムの中で聴いているかのようなサウンドが楽しめます。貴重な未発表写真に加え、1979年のロードランナー誌に掲載されたキム・ウィリアムズ（サマー・サンズのメンバーで「スワンプランド」の共作者）による特集記事、そしてグロウン・アップ・ロングのデイヴ・レインによる解説も収録されています。このコレクションは、「伝説の」サイエンティストのアルバムが1979年に録音されていたら、どんなサウンドになっていただろうかと、ワクワクするような一面を見せてくれます。現在のバンドは再びアメリカをツアーし、「Last Night」や「Frantic Romantic」などを演奏しているので、どのラインナップが好きかに関わらず、すべてのサイエンティストファンにとって必聴の一枚です。