詳細： 『Insanity Beach』はSleeze Beezのお約束ともいえる構成だが、Beezはこのアルバムではより実験的な路線をとっており、聴く者の心を掴んでいる。Beezが突如プログレッシブ・ロック・バンドに変貌したわけではなく、あくまでもロックンロールであり、構成が少し面白くなっただけだ。「Save Myself」で緊張感が高まっていく様子はBeezのお気に入りの曲となっている。「Gun Culture」の語り部分は慣れるまで少々時間がかかったものの、真にパワフルでユニークな曲に仕上がっている。スローテンポでじわじわと迫ってくる「DUI (Intoxicated)」と「Hate Rock And Roll」(カシミール？)はテンポ面で嬉しい変化だ。とはいえ、最後のトラック「Scream」は『Screwed, Blued And Tattooed』の大部分で見られたパーティー気分を蘇らせてくれるので安心してほしい。ほとんどのロックンロール・バンドはロックできる。しかし、音楽そのものをより高いレベルに引き上げるには、優れたシンガーが必要だ。アンドリュー・エルトは本当に素晴らしいシンガーだ。バックコーラス陣も申し分ない。ヤン・コスターは真のパワーヒッター、エド・ヨンスマは、一般的なロックベーシストよりも少しだけ興味深いベースラインを奏でる。ソロは誰が担当しているのだろうか？クリス・ファン・ヤールスフェルトとドン・ファン・スポールはどちらも素晴らしいギタリストだ。「The Long Goodbye」と「Sacrifice」で彼らの演奏を聴いてみれば、その好例がわかるだろう。しかし、最も重要なのは、楽曲そのものなのだ。