詳細：過去10年間、スティーヴ・マリノはムーア・ハウンド名義で複数のソロアルバムを制作し、数え切れないほどのバンドに所属し、コンスタントに全米ツアーを行ってきましたが、最新フルアルバム『Fluff』は、彼自身の名義でリリースする初の楽曲集です。ある意味では、彼の「デビュー」アルバムと言えるでしょう。バンド名という人工的なものから、本名という親密さへと移行していくのは、新たな内面への焦点から生まれたものだと考える人もいるかもしれません。それは当然のことです。アーティストが原点に立ち返り、現実を見据える物語なのです。しかし、実際にはそうではありませんでした。『Fluff』は、故郷、そしてそこにおける自分の居場所、愛、そして親密さをテーマにしたアルバムであり、スティーヴが率直で誠実なソングライティングと、綿密なコラボレーションのプロセスとを融合させた結果なのです。彼はインディアナ州ブルーミントン在住の、傑出したプロデューサー／エンジニアであるベン・ラムズデイン（ケビン・クラウター、メジャー・マーフィー、スピッシーを手掛けた）と共にアルバムを制作し、二人のコラボレーションによって楽曲は開かれ、確かな深みを与えられている。タイトルトラック「Fluff」は、精緻なドラム、重層的なギター、そして感情を揺さぶるボーカルが、このコラボレーションの力強さを見事に捉えている。繊細でありながら力強く、歌詞は曖昧ながらも感情はストレートに表現されている。アルバムの他の楽曲と同様に、この曲も完璧なバランスで構成されている。