サン・ジューン - バッド・ドリーム・ジャガー - パープル(ビニール盤)
商品番号: 810097915404
詳細:サン・ジューンの3枚目のアルバム『Bad Dream Jaguar』の最初の2分間は、まるで夢想の世界。ローラ・コルウェルの歌声が、ゆっくりと燃え上がるようなまばらなシンセサイザーの上に漂い、ほろ酔い気分の孤独、ぼんやりとした記憶、そして夜の終わりに誰もいないダンスフロアで回転するミラーボールを想起させる。サン・ジューンの音楽は、しばしば共有された記憶のように感じられる。曲の端っこにひっそりと刻まれたディテールは、触れられるほどに迫ってくる。そして、オースティンを拠点とするプロジェクトとして、彼らの音楽は常に奇妙で、そしてテキサス特有の感覚を伴ってきた。まるで、信じられないほど広大な開放感の中をゆったりと長距離ドライブしているような、暑さの中、舗装道路に揺らめく光の反射のように。
しかし、『バッド・ドリーム・ジャガー』では、サン・ジューンは漂流している。テキサスの背景は、憧れ、距離、はかなさ、そして静かな恐怖に取って代わられる。唯一の確かな感覚は、曖昧な過去から生まれる。それは、歳を重ね、自分自身の奇妙な狭間にいる時の、ある種のメッセージだ。かつての自分、住んでいた場所、世代を超えた呪い、そして家族。それらは鮮明に記憶されている。しかし、未来は広大で不透明に感じられ、現在も指の間からすり抜けていく。
ハイファイとローファイが融合したサウンドが特徴で、レコーディング前に猛スピードで練習しなければならなかった「Texas」のような曲は、ライブで録音されたファーストテイクで収録されている。一方、「Eager」と「Easy Violence」には、デモ音源をベースにして完成した、コルウェルの初期ボーカルテイクが収録されている。後者のトラックでは、徹夜、社会の脅威、悪いパターンに陥る様子が描かれているが、続く「John Prine」はドラムレスでピアノを基調としたバラードで、ペダルスチールを多用してシンセサイザーに近いサウンドに仕上げている。
Sun Juneの作品は、メランコリーを背景にして、軽やかな響きをまとう。緻密なテクスチャーの基盤を、安らぎの感覚で覆い隠している。『Bad Dream Jaguar』のレイヤーは絡み合うことなく、むしろ浮遊している。太陽が沈み、闇が忍び寄る中、発散し輝く音の鞘が重なり合う。このアルバムは、諦めと全力投球の間の深淵に存在している。そして、静かな自信のきらめきが力強く響き、その核には小さな希望の光が宿っている。
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