カルト的人気を誇る、グジュグジュとした傑作『ブロブ』。魂も脊椎もない宇宙から現れた怪物によって小さな町が壊滅的な被害を受ける様子を描き、スティーブ・マックイーン（『大脱走』）がゼリー状の侵略者について住民に警告しようとする反抗期のティーンエイジャーを演じている。力強い演技と独創的な特殊効果により、『ブロブ』は原作の安っぽいSFや青春の非行というジャンルを超越している。ハリウッド以外の場所で、異端の映画配給会社と、宗教映画や教育映画を主に手がけてきたスタッフによって制作された『ブロブ』は、マックイーンと作曲家バート・バカラックのキャリアを飛躍させた作品であり、バカラックの軽快なタイトル曲は、この映画の予想外の魅力の一つに過ぎない。