詳細: 60年代後半、ビートルズに影響を受けたカバーバンドブームの最中に日本の音楽シーンに登場したジャックスは、無駄を削ぎ落としたオリジナル楽曲、虚無的な歌詞、生々しいパフォーマンスで、安っぽいコピーばかりの同業バンドとは瞬く間に頭角を現した。彼らの活動期間は67年から69年と短かったが、その間に数枚のシングルと2枚のアルバムをリリースした。その最初の作品である『Vacant World』は、現在では日本で、この国が生んだロックアルバムの中でも屈指の名盤と広く考えられている。早川義夫の印象的なバリトンと渋いギターワーク、ドラマーの木田隆介とアップライトベーシストの谷野仁のジャジーで自由なインタープレイ、そしてリードギタリストの水橋治夫の鋭いファズリードの組み合わせは魔法のようで、『Vacant World』はバンドが絶頂期にあった頃の姿を捉えている。