詳細：ザ・ラブ・ランゲージのベイビー・グランドには、失恋ソングが数多くある――スチュアート・マクラムほど上手に書ける者はいない――しかし今回は、何かを悼むと同時に、別の何かを乗り越えようとしている。恋人たちが置き去りにされたように、人生の場所や時間も残されている。「ニュー・アムステルダム」の失恋と切なさが「サザン・ドルドラムス」の美しい静寂へと崩れ落ちる様を、あるいはベイビー・グランドの推進力のある中間部を構成する驚くべき一連の曲の美しい高揚が、遠くから響く音と低音がメロディーを組み立てようともがくムーディーなインストゥルメンタル「レイン／ディレイ」へと移っていく様を聴いてみてほしい。「ジュースボックス」は、ミック・ジャガーがスタイル・カウンシルのバックトラックに乗せて「エモーショナル・レスキュー」のファルセットを歌ったらどうなるか、といった感じだ。そして「レット・ユア・ヘア・ダウン」は、「キャロライン・ノー」がジョージ・マイケルによって書かれていたらどんなサウンドになっていたかを印象的に示唆している。