テレンス・マリック監督による17世紀初頭のアメリカを描いた本作は、息を呑むほどの自然の美しさを湛え、自然、暴力、愛、そして文明を詩的に瞑想する作品である。イギリス人探検家ジョン・スミス（コリン・ファレル）とポウハタン族出身のポカホンタス（クオリアンカ・キルヒャー、啓示的な演技）の出会いという伝説を、精神的に対等な二人によるロマンチックな牧歌として再構築し、ポカホンタスとジョン・ロルフ（クリスチャン・ベール）の結婚生活、そしてイギリスでの生活を描く。美術監督ジャック・フィスクによるジェームズタウン植民地のありのままの再現、エマニュエル・ルベツキによる自然光を巧みに取り入れた見事な撮影、そしてジェームズ・ホーナーによる高らかに響く音楽によって、『ニュー・ワールド』は類まれな力と技術の輝きを放ち、マリック監督の視覚的、哲学的才能の頂点を極めた作品となっている。