ザ・ポンド - 9 (ビニール盤)
商品番号: 710702338010
詳細: Pondの世界では、何も長く静止したままでいることはない。2019年の「Tasmania」を聴いた人は、その脈動するサイケポップをストレートだとは到底言えないだろう。しかしPondは、次のアルバムではより自発的な制作方法を試してみたかったのだ。
クラウトロック界の異端児カンのやり方に倣い、ポンドは2020年の初めに、曲やアイデアを引き出すための完全に即興的なジャムセッションシリーズに乗り出した。
アイデアが頭の中を駆け巡る速さを考えると、聴くだけで目眩がするほどだ。オープニング曲の「Song For Agnes」は、まるで銀河系ロックオペラのようにスピーカーから炸裂し、泡立つシンセポップ、80年代ヘアメタル、そして至福のサックスが奏でるシナプスを揺さぶる試練の連続に、聴き手は何が襲い掛かるのかさえ分からない。
これは、激しいテクノ (Human Touch)、しなやかなヒップなロボットファンク (America's Cup)、トリップしたようなモトリック (Czech Locomotive)、その他多くの曲を息つく暇もなく収録したアルバムの幕開けにふさわしい曲だ。
リードシングル「Pink Lunettes」を例に挙げると、この曲はベルグハインでの8時間に及ぶセッションのESGのようにドキドキと鳴り響き、その後巨大なシンセサイザー船に乗って地平線の彼方へと消えていく。
歌詞の面でも、『9』はPondを未知の領域へと誘う。オールブルックの楽曲は、本作では以前よりも印象派的なアプローチをとっており、その結果、『Human Touch』の奇抜なスラッシュ・ナンバーには、ユーモラスなワンライナー(歌詞の例:「彼女は車をジャッキングしていたけど、なかなかいい子そうだったので、僕のトイレを使わせてあげた」)が散りばめられている。また、至福のラストナンバー「Toast」では、昨年の森林火災と、オールブルックが幼少期を過ごした西オーストラリア州における深刻な貧富の格差の両方が取り上げられ、社会問題や環境問題への懸念が歌われている。
しかし何よりも、「9」から感じられるのは、創造性の奔放さと、ただただ楽しい感覚だ。もし、聴くのと同じくらい楽しく作れたとしても、彼らは本当に楽しんでいたに違いない。
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