詳細:時に、始まりは最後から始まるのがベストだ。The World Is a Beautiful Place & I Am No Longer Afraid To Dieの4枚目のアルバム『Illusory Walls』を深く掘り下げたいなら、そうするのが間違いなく助けになる。19分44秒に及ぶ壮大なラストナンバー「Fewer Afraid」は、それまでの10曲のテーマやアイデアを改めて提示するだけでなく、コネチカット出身のこのバンドの歴史全体を自覚的にまとめている。アルバムに込められた全ての物語の完結であると同時に、彼らを支えてきた全ての人生への敬意を表し、ミクロな、直接的なレベルから、より普遍的なレベルまで、これまでの全てを垣間見せてくれる。 「この曲は、僕の人生全体、そして世界全体を、より高次の視点で見つめた曲なんだ」と、ボーカル/ギターのデヴィッド・F・ベロは説明する。「アルバム、バンド、そしてディスコグラフィー全体もね。まるでこれまでのすべてを聴いているかのように、バンドを世界の他の文脈の中に位置づけている。過去の曲のテーマすべてに触れているだけでなく、キャリア初期の曲へのコールバックもある。でも、この曲ではそれらは主語ではなく客体なんだ。僕は、これらのことが起こる世界について語っているのであって、起こっていることについて語っているのではない」
新型コロナウイルスのパンデミックにより、スティーヴン・K・バタリー(ドラム、パーカッション)、ジョシュア・サイア(ベース/ボーカル)、ケイティ・ドヴォラック(ボーカル/シンセ)を加えたこのバンドは、自分たちの音楽的、そしてテーマ的な野望を最大限に実現するための時間しかなかった。そして、高く評価された3枚目のアルバム『Always Foreign』から4年を経て、彼らは間違いなくバンド史上最も野心的で壮大なアルバムを制作することができた。バンドにとって初のリモートでの作詞作曲とレコーディングを経た『Illusory Walls』は、現代のディストピアに近い社会の重圧に押しつぶされそうな人間の存在の重みを描いている。個人的な不安や政治的葛藤が、不吉で終末的、そしてドラマチックな楽曲群と衝突し、2009年の結成以来、バンドが制作してきた中で最もダークな音楽の一部が生まれた。