詳細：ビニールLPプレス。2017年発売。シアトルを拠点に活動するミュージシャン、ジェシー・フォルティーノは、2枚目のアルバム『Life On Earth』をリリースして以来、土木技師に転身。ワシントン大学で学び、まったく新しい人生の方向性を模索する傍ら、『Tiny Viper's Laughter』を書き、レコーディングした。フォルティーノがSub Popからリリースしてきたシンガーソングライターのアルバムからは逸脱しているように思えるが、『Empire Prism』などの初期の作品、そして2015年にAmbienceシリーズに提供した『Box Bedroom Rebels』や、ラファエル・アントン・イリサーリやリズ・ハリスとコラボレーションした『Mirrorring / Grouper』といった後期のインストゥルメンタル作品の延長線上にある。『Hands Across the Void』や『Life On Earth』といった以前の作品は歌のコレクションではあるが、その表面のすぐ下には、言葉を超えたむき出しの感情表現が渦巻いている。『Laughter』は、ポップスの比喩を解体する実験の成果だ。フォルティーノは、Popol Vuhのフロリアン・フリッケのような初期のエレクトロニック・ミュージックのパイオニアたちや、80年代のプロトインダストリアル・テープ・カルチャーにおける荒削りな実験性からインスピレーションを得ています。さらに、スラヴァ・ツッカーマンの映画『リキッド・スカイ』のサウンドトラックや、人間の声を幽霊のような楽器へと変容させるメレディス・モンクの試みといった、一見相反する影響も受けています。新しく挑戦的な何かに挑戦することに伴う不安は、これらの作品の脆い構造に見事に表れており、組み合わさった途端に崩れ落ちそうにさえ感じられます。