詳細:トム・モールトンの最新独占ミックス 2020年6月、私はトム・モールトンとビデオ通話をしています。世界的なパンデミックの真っ只中ですが、トム・モールトンの生活は特に大きく変わっていません。彼は人生の大半を、音楽と猫という人生で最も好きな二つのものに縛られながら、実質的に自主隔離生活を送ってきました。 トムとは50年近く知り合いです。最初の20年間はトムのミックスを聴いて過ごし、彼が作ったもの（クレジットされていないものも含め）を全て聴き、すぐに彼が真の巨匠だと気づきました。70年代のトランプスのアルバムはあっという間に聴き尽くしました。あのミックスのダイナミクスは本当に桁外れでした。90年代初頭、サルソウルのマスターカットを制作した時にトムと出会いました。まさか彼とずっと一緒に仕事をすることになるとは、その時は夢にも思っていませんでした。 過去30年間、様々なプロジェクトで彼と仕事をする幸運に恵まれ、どれも素晴らしい経験でした。トムはまさに独創的なクリエイターと呼べる人で、ミキシングという芸術そのものが彼にとって非常に感情的なものです。そのため、彼とは長い会話をすることもありました。私たちはしょっちゅう意見が対立しますが、私はいつも彼のそばにいて、彼もいつも私のそばにいてくれます。まるで、あの厄介な主従関係のようです。それに、私はいつも彼のアーカイブにアクセスする必要があるんです。 とにかく、トムはSpring/Event Vaultへのアクセス権を得て、作業を始めました。このプロジェクトはほぼ4年前に始まり、昨今の傾向として、幾度かの変更や遅延を経験しました。ようやく実現できて本当に嬉しいです。 トムの作品は今でも全部聴いています。彼のミックスは、これまでちゃんと聴いたことのない、あるいは聞いたこともないような曲の側面を引き出してくれます。これこそが、クリエイティブなリミキサーの技なのです。 このパンデミックの間、トムと話すのは特に胸を打つものでした。トムはまさに、彼のようなタイプの人間としては最後の生き残りと言えるでしょう。80年にわたる技術と知識を駆使する名匠であり、60年代に若く熱烈な音楽ファンに囲まれて暮らしていた頃と変わらず、今もなお猫とコンピューターに囲まれて情熱を燃やしています。 何も変わっていません。彼はすでに第2巻を見ています。お楽しみください！