詳細:毎日確信と怒りを込めて福音を叫び、すべての答えを知っていると思い込みたくなる衝動に駆られる。しかし、人生はそう簡単ではない。ロンドン出身の4人組バンド、TV Priestのデビューアルバムは、個人的、政治的、そして文化的に存在する美しくも恐ろしい未知の世界を包み込む。多くの疑問を投げかけると同時に、多くの疑問も投げかける『Uppers』は、近年イギリスで復活を遂げつつある、泥臭く激しいポストパンクミュージックの勢いを、力強くも力強く表現している。しかし、本作はこれまでとは全く異なる、全く独自の何かを訴えかけている。デビューシングル「House Of York」は、硬質なポストパンクに乗せて、君主制を痛烈に批判する楽曲で、マーク・E・スミスを彷彿とさせるチャーリー・ドリンクウォーターがフロントマンを務めている。新型コロナウイルスのパンデミックが勃発した今、ポストパンクの重鎮であるザ・フォールやプロトマーティル、そしてクラウトロックの機械的で脈打つグルーヴから音楽的なヒントを得ているこのアルバムは、抑えきれないエネルギーに満ち溢れている。