詳細：禁酒を決意した直後に制作されたこのアルバムは、揺るぎない自己省察と言えるでしょう。この生々しく露わな物語の領域は、音響アレンジの変化によってさらに強調されています。前2作では、彼女のフィラデルフィアでの活動を象徴するような、重厚なギター、研ぎ澄まされたノイズ、そして激しいサウンドが特徴的で、当時台頭しつつあった新世代のシンガーソングライターたちに強い影響を与えましたが、『Saint Cloud』ではそれらの層を削ぎ落とし、クルーチフィールドの声と歌詞にふさわしい空間を作り出しています。その結果、現代を代表するストーリーテラーの一人として台頭してきた彼女にふさわしい、クラシックなアメリカーナサウンドに現代的なタッチが加わった作品となっています。 ブラッド・クック（ボン・イヴェール）がレコーディングとプロデュースを手掛けた『Saint Cloud』の11曲を通して、クラッチフィールドはエレキギターの歪みを削ぎ落とし、これまでのワクサハッチーのアルバムにはない幅広いサウンドパレットを生み出している。このアルバムは、カントリーフォークの古典的サウンドへのオマージュと、独特の現代的なタッチが満載だ。