詳細： LPレコード。1970年、ウェイン・ショーターの人生とキャリアには変革の風が吹き荒れていました。サックス奏者の彼はマイルス・デイヴィスのグループを脱退したばかりで、間もなく自身のフュージョンバンド、ウェザー・リポートを結成しようとしていました。彼の音楽もまた進化を遂げ、ブルーノート・レコードに残した2枚のアルバム『スーパー・ノヴァ』と『モト・グロッソ・フェイオ』で独自のフュージョン表現を探求し始めました。1970年8月に録音された魅惑的な『オデッセイ・オブ・イスカ』は、ショーターのブルーノート初期における最後の作品となります。このアルバムは、前年に重度の脳損傷を抱えて生まれた娘イスカへのトリビュートとして制作され、「風」「嵐」「静寂」「喜び」という、ショーターが作曲した4つの楽曲が、様々なムードを表現しています。アルバムの目玉は、ボビー・トーマスのブラジル音楽に影響を受けた楽曲「De Pois do Amor, o Vazio（愛の後、空虚）」の拡張バージョンで、ショーターが後に深く探求することになるブラジル音楽への関心の高まりを予感させる。アルバムでは、ショーターのソプラノサックスとテナーサックスのみが演奏され、ギターにはジーン・ベルトンチーニ、ヴィブラフォンとマリンバにはデヴィッド・フリードマン、ベースにはロン・カーターとセシル・マクビー、ドラムとパーカッションにはアルフォンス・ムーゾン、ビリー・ハート、フランク・クオモが参加している。