詳細: 『Deseret Canyon』は、ウィリアム・タイラーがギターソロを主体に作曲した初の作品集です。2008年にドイツのレーベルApparent ExtentからThe Paper Hats名義で最初にリリースされ、この度タイラー自身の名義で再発されました。2013年の高く評価された『Impossible Truth』といったタイラーの最近の作品と比較すると、このアルバムは広大な瞑想的な空間に満ちています。馴染みのあるメロディー、雰囲気のあるアレンジ、そして難解な主題が融合していますが、まだ発展途上のものです。『Deseret Canyon』は美的感覚とテクニックの両面において探求的な作品です。ギタリスト兼作曲家が独自のスタイルを確立し、自分の声を見つけつつあるサウンドです。『Deseret』はモルモン書でミツバチを意味する言葉で、19世紀にモルモン教会で短期間使用されていた失われたアルファベットの文字にも由来しています。タイラーの音楽はインストゥルメンタルですが、彼は常に文化的記憶、失われた言語、亡命地、そして神話の交差に魅了されてきました。『Deseret Canyon』の音楽は、中東であろうとアメリカ西部であろうと、砂漠のドローン音を想起させます。タイラー自身が主に演奏する『Deseret Canyon』には、ラムチョップのポール・ニーハウスとライアン・ノリスがゲスト参加しているほか、マーク・ネヴァースとジョー・ピサピアによるエンジニアリングも手掛けています。2人は後にそれぞれ『Impossible Truth』と『Lost Colony』でタイラーとコラボレーションすることとなります。