詳細：ジョセフ・シャバソン、マシュー・セージ、ニコラス・クルゴヴィッチは、音楽的にも地理的にも、まさに完璧な三角形を形成している。トロント、コロラド、バンクーバーを拠点とする3人は、ロッキー山脈の麓にあるセージの納屋を改装したスタジオに集結し、日常のありふれた些細な出来事から壮大なものを見出すという、共通した才能を紐解いた。サックス奏者のジョセフ・シャバソンは、80年代後半のアダルト・コンテンポラリーとスムース・ジャズの美学を、第四世界のサウンドデザインの潮だまりへと変貌させる。同様に、マシュー・セージは、楽器奏者としてのスキルとシンセシス、フィールド・レコーディングを融合させ、自然界の音の反射を、気まぐれでありながら深遠な響きで生み出している。心温まる実験家二人の間に心地よく座るのは、シンガーのニコラス・クルゴヴィッチ。観察眼に富んだ日常を切り取った詩的表現は、共演者たちの穏やかな表現主義に共感できる一面を描き出し、その深い感情を導き、同時に際立たせている。こうして生まれたアルバム『Shabason, Krgovich, Sage』は、サウンドアーティストのマシュー・セージを、シャバソンとクルゴヴィッチが2020年の『Philadelphia』、そして2022年の『At Scaramouche』で築き上げた、皮肉とメランコリックさを湛えた小さな奇跡の世界へと温かく誘う。シャバソンとクルゴヴィッチが過去の共同作品で築き上げた基盤は随所に見られるが、セージが彼らを牧歌的で親密な新たな拠点へと導いたであろう喜びによって、その基盤は増幅されている。セージと出会う前、この二人の音楽は大自然が織りなす美しさをテーマとすることが多かったが、新たなホスト兼コラボレーターである彼は、よりワイルドな場所に潜む小さな驚異へとレンズの焦点を巧みに再設定している。シャバソン、セージ、クルゴヴィッチは、魔法のように周囲の風景を音楽で捉えただけでなく、それを正確に再現することに成功した。鋭く開かれた空気、日常から逃れた静かな興奮、野原の端で薄暮に漂う内省的な思考のループ。それらすべてが、この『シャバソン、クルゴヴィッチ、セージ』に詰まっている。このトリオの巧みな演奏を通して、リスナーもその場にいるような感覚に浸ることができる。ジャンル：エレクトロニック / ポストロック / ニューエイジ