この心を打つ2作目の長編映画で、デヴィッド・リンチは、ビクトリア朝時代のイギリスを舞台にした悪名高い実話を、独特の雰囲気を持つ映像と音響パレットで表現しました。ロンドンの外科医フレデリック・トリーヴス（アンソニー・ホプキンス）は、骨格と軟部組織に重度の障害を持つ見世物小屋の芸人ジョン・メリック（ジョン・ハート）と出会い、彼も知的障害者に違いないと考えます。しかし、2人が一緒に過ごすうちに、メリックは衝撃的な外見の下に隠された知性、温厚な性格、そして深い尊厳を明らかにし、トリーヴスとの間に友情が芽生えます。美しい白黒映画で撮影され、アン・バンクロフト、ジョン・ギールグッド、ウェンディ・ヒラーなど豪華な脇役を演じる『エレファント・マン』は、アカデミー賞8部門にノミネートされ、アメリカ映画界で最も先見の明のある才能の持ち主としてのリンチの名声を確固たるものにしました。