詳細： 1977年12月4日にリリースされた『TAK​​EN BY FORCE』は、ウリ・ジョン・ロート最後のスタジオ・アルバムであり、新ドラマーのハーマン・ラレベルが加入した最初のアルバムでした。この新人はソングライターとしても名を連ね、「He's A Woman - She's A Man」の作詞も手掛けています。『TAKEN BY FORCE』には、後にクラシックとなった曲が数多く収録されています。「Steamrock Fever」はその中でも特に人気が高く、長年にわたり観客に絶大な人気を誇ったライブヒット曲です。そして、ウリ・ジョン・ロート作曲の「I've Got To Be Free」は、ハイエナジー溢れるハードロックナンバーで、素晴らしいリフとギターの魔法が奏でられ、ロートの類まれな才能を改めて証明しています。一方、「He's A Woman - She's A Man」は、ヘビーなリフとキャッチーなコーラスがトレードマークとなっています。ウリ・ジョン・ロートによるもう一つの曲、小さな傑作「The Sails Of Charon」は、それ自体が傑作と言えるでしょう。しかし、アルバムの中で最も異色で、しばしば過小評価されている曲は「Your Light」です。ファンキーなベースが曲の導入部となり、まるでモータウンの作品のようなグルーヴ感を醸し出します。「Your Light」は、ややダークで重苦しい「The Sails Of Charon」や「The Riot Of Your Time」と完璧な対比を成し、バランスをとっています。バラード「Born To Touch Your Feelings」は、スコーピオンズのロマンチックな側面を象徴し、長年にわたり彼らを「バラードの巨匠」として確立させてきました。この曲は、後の大ヒット曲「Still Loving You」や「Holiday」と同等のクオリティを誇ります。レコーディングの段階で既にウリ・ジョン・ロートと他のメンバーの音楽性の違いが顕著になっていたにもかかわらず、『TAKEN BY FORCE』は、欠点を一切感じさせない魅力的なアルバムに仕上がっています。ウリ・ジョン・ロート時代の集大成とも言える傑作であると同時に、ヘヴィメタルのその後の発展にも大きな影響を与えるであろう作品。2015年にリマスターされ、180g重量盤LP（ホワイトヴァイナル）としてリリースされた。