詳細： LP盤。サンフランシスコを拠点とするガレージ・ロッカーによる2015年作。本作には、叩きのめす力強い9曲が詰まっている。昨年の『Drop』は、ヘヴィから気まぐれまで、より分裂的で、ヘヴィなサウンドから気まぐれなサウンドへと変化した。一方、『Mutilator Defeated At Last』は、『Floating Coffin』のモノリシックな巨大さとの共通点が多い。猛攻からほんの2回だけ短い休息を挟んだこのアルバムは、大音量で聴くことを前提としており、肉体的な犠牲を要求する。プルトニウムのような重厚感がありながらも、Thee Oh Seesは雑食性を持ち続けている。シンセサイザーとアコースティックギターが、花崗岩を貫く金脈のようにアルバム全体に響き渡る。邪魔するものはすべて貪り食われ、吸収されていく。これこそが、バンドが本領を発揮したサウンドだ。