詳細： 2018年リリース。体験型作曲家ティム・ヘッカーの9枚目の公式フルアルバム『Konoyo』（この世界はここにある）は、主に東京郊外の寺で雅楽アンサンブル「東京楽奏」のメンバーと共演した日本への複数回にわたる旅の中でレコーディングされた。最近亡くなった友人とのネガティブスペースや、音楽の陳腐化していく密度感についての会話に触発されたヘッカーは、集団でも一人でも音楽を作りながら、抑制と優雅さへと惹かれていった。2016年の『Love Streams』でアレンジしたアイスランドの合唱団と同様に、ヘッカーの才能の極みは、素材を巧みに操り、幻想的な新しい形へと磨き上げるところに表れている。鋭い弦楽器はシュールでピクセル化された蜃気楼へと引き伸ばされ、木管楽器はフラクタルな空間の靄のように響き、散り散りになる。まばらなパーカッションのジェスチャーは、まるであの世からの肉体のない信号のように、切り刻まれ、孤立し、侵食される。質感と意図の両面において、『Konoyo』は、儀式と後悔に満ちた、陰鬱で儀式的な雰囲気を醸し出す。幻想は舞い散り、消え去り、夢は輝き、そして朽ちていく。ヘッカーはアルバム発売に合わせて、笙、龍笛、篳篥を演奏する雅楽アンサンブルのメンバーと、カラ＝リス・カヴァデールの伴奏による特別公演シリーズを開催する。