詳細： 3枚目のアルバム『As You Please』で、Citizenは内省的なアプローチを見せている。長年のプロデューサーであるウィル・イップと再びタッグを組んだ彼らは、これまでの作品群の様々な側面を融合させた12曲を、斬新な作品へと昇華させている。デビューアルバム『Youth』のカタルシス的なメランコリー、そして2015年の『Everybody is Going to Heaven』の強烈なサウンドは健在だが、『As You Please』におけるCitizenの武器として最も歓迎すべき点は、アルバムに盛り込まれた様々な補助楽器と実験的なサウンドである。これは「In the Middle of it All」で最も顕著で、ヴォーカリストのマット・ケレケスが歌っている曲名が、抑揚のある、心に残るコーラスでサンプリングされ、曲全体に響き渡っている。 「You Are A Star」や「Medicine」といった曲では、オルガンや型破りなドラムエフェクトが加えられ、緊張感と脆さが絶妙なバランスで強調されている。一方、オープニング曲「Jet」や「I Forgive No One」といった曲の壮大なコーラスは、Citizenがニューアルバムで未知の領域に飛び込んだ一方で、バンドが相変わらずエモーショナルなアンセムを生み出す才能を失っていないことを思い出させてくれる。『As You Please』は、Citizenのビジョンをこれまでで最も明確に提示し、あらゆる瞬間に刺激を与えるように繊細に作り上げられている。