詳細:ジョン・オンドロは生まれ故郷のタンザニアとケニアを往復しながら生涯を過ごし、1950年代後半から60年代前半にかけて、インディーズレーベルで数々のシングルをレコーディングしました。この地域のほとんどのギタリストとは異なり、オンドロはオープンチューニング(アメリカのブルースギタリストに好まれる)を使用し、催眠的なドローン音を生み出し、その上にメインテーマのリズムバリエーションを無限に重ねていきます。ナイロビの爆発的なポップミュージックシーン、アメリカから輸入された最新のロックンロール、そして青春時代に親しんだアバクリア族の音楽にインスピレーションを受けたオンドロは、伝統的な楽器とリズムをギターに移調し、時には伝統的なハープのように演奏することで、アフリカのギターの録音史上、まったく独自のサウンドを生み出しました。このアルバムは、ジョン・オンドロの希少な初期の78回転レコードを集めたもので、革新的でありながら見過ごされてきたこのアーティストを初めて概観できる作品です。オンドロの創作活動を辿ると、響き渡るアコースティックギターの傑作「トゥムシュクル・ムング」から、ギターとフルートが織りなす奔放な相互作用が印象的な「ケニア・スタイル」、そして後にジョリー・トリオでエレキギター、ベース、ドラムを手がけた作品群へと至り、その全てをオンドロのリズム感と歌唱スタイルが結びつけている。オンドロの録音の多様性は、おそらく彼の散発的な録音歴によるものであろう。より著名なアーティストたちとは異なり、オンドロは60年代初頭のナイロビのナイトライフに溺れることはなく、キリマンジャロ山麓の農場から時折録音のために出向いていた。アウトサイダーであり敬虔なカトリック教徒であった彼の音楽は、時として時代の流行と相容れないものであったが、後に音楽の道を完全に断ち切り、映画界に転向。タンザニア政府の移動映画館の運転手として、社会主義映画や汎アフリカ映画を地方に紹介した。移動映画館で起きた事故で左腕を失った。彼は2008年にダルエスサラームで亡くなり、二人の妻と11人の子供を残しました。10年以上かけて制作されたこのアルバムには、タンザニアのミュージシャンであり歴史家でもあるジョン・キタイムによる歌詞と解説が収録されています。マイケル・キーファーによって巧みに修復・マスタリングされ、タンザニアのオンドロ家からライセンスを受け、160gのブラック・ヴァイナルにプレスされました。