詳細： 1983年にリリースされたサンドラ・サの『Vale Tudo』は、当時のブラジリアン・ブギー・ファンクを代表する一枚です。素晴らしいミュージシャンとプロデューサーによるドリームチームが舞台裏で活躍し、作品全体を通して洗練されたクオリティを誇ります。このアルバムはサンドラの最高傑作と評されることもあります。 80年代ブラジルのブギーとファンクのエッセンスがたっぷり詰まった作品です。その原動力となっているのは、当時のブラジル音楽シーンにおいてこの独特なサウンドを確立したリンカーン・オリヴェッティの作曲、アレンジ、そして音楽性です。そして、このアルバムにフィーチャーされた驚異的なチームによって、このサウンドはさらに高められています。ブラジルのアイコンであり重鎮でもあるティム・マイア、ロブソン・ホルヘ、セルジーニョ・トロンボーン、オベルダン・マガリャエス、クラウディオ・スティーブンソン、そしてバンダ・ブラック・リオで名を馳せたジャミル・ジョアネス、ジュニオール・メンデスなど、枚挙にいとまがありません。このミュージシャン陣はサンドラのボーカルスタイルと完璧に調和し、互いに補完し合いながら名曲を生み出しました。 アルバムの中でも特にお気に入りの一曲は、オープニングトラックの「Trem Da Central」。中毒性のあるグルーヴにサンドラのクールでリラックスした、闊達なボーカルが加わり、ダンスフロアに欠かせないジャムセッションへと昇華しました。キャッチーなブギーファンクの「Candura」や、アース・ウィンド・アンド・ファイアーを彷彿とさせる「Pela Cidade」も、ダンスフロアを魅了する魅力的な一曲です。ティム・マイアがフィーチャーされたテンポの速いデュエット「Vale Tudo」は、当時ブラジル音楽界の大スターだったティムとサンドラが歌うために特別に書かれたものです。これらのブギーとファンクの楽曲は、洗練されたスロージャムと絶妙なバランスで調和し、アルバム全体に満足感と充実感を与えています。 サンドラは70年代から音楽活動を始め、現在も活動を続けていますが、80年代初頭は彼女にとって豊かで多作な時期でした。ロブソン・ホルヘ＆リンカーン・オリベッティの1982年のセルフタイトルアルバム、あるいは「Estrelar」を収録したマルコス・ヴァレの1983年のアルバムのファンなら、このアルバムは間違いなくおすすめです。「Vale Tudo」は、まさに絶頂期の才能溢れるアーティストによるマストハブなレコードであり、サンドラはそれを自然体なサウンドで表現しています。