詳細：ビッグ・ビッグ・トレインの故リードシンガー、デヴィッド・ロングドンの初ソロアルバム『Wild River』が、リミックス、リマスタリング、拡張されて登場。先行シングル『Always』は現在発売中。『Wild River』は2004年に自主リリースされたもので、当時はごく少数のCDのみが生産された。ビッグ・ビッグ・トレインのウェブサイトで短期間入手できたものの、長らく廃盤となっていた。デヴィッドは以前からリミックスとリパッケージを企画していたが、2021年11月の急逝により実現は叶わなかった。1994年からビッグ・ビッグ・トレインのエンジニアを務め、長年の同僚であるロブ・オーブリーが偲ぶ最後の行為として、デヴィッドの願いが叶った。アルバムのパッケージデザインも、ロングドンの友人でありコラボレーターでもあるスティーヴ・ヴァンシスが手掛けた。デヴィッドのパートナーであるサラ・ユーイングは、彼がなぜ『Wild River』の再制作にそれほど熱心だったのかを振り返る。 「デヴィッドはこれらの曲を本当に誇りに思っていました」と彼女は言う。「アルバムのプロデュースとエンジニアリングは彼自身が手掛けましたが、レコーディング、プロダクション、ミックスはどれも自分の期待に応えられていないと感じていました。年月を経て彼は技術を格段に向上させ、もし今生きていたら、ずっと望んでいた通りのアルバムを届けられたでしょう。彼はまた、カバーアートをもっと良くしたいとずっと思っていましたが、当時はレコーディングとミックスに全財産を費やしてしまっていました。」『ワイルド・リヴァー』は、デヴィッドにとって芸術的にも精神的にも過渡期を象徴する作品だった。1994年に父エリックが亡くなり、離婚を経験し、フィル・コリンズ脱退後のジェネシスのリードシンガーのオーディションを受けた。しかし、長引くオーディションとリハーサルの末、その役を逃したことに、彼はひどく落胆した。今にして思えば、これは幸運だったと言えるだろう。ちょうどその頃、XTCのギタリスト、デイヴ・グレゴリーがセッションをしていた時、彼はデヴィッドと初めて出会ったのだ。 XTCのプロジェクトの合間に、グレゴリーはジェネシスの名曲「Supper's Ready」のヴァージョンをレコーディングしていました。XTCの大ファンであるデヴィッドは、「これは絶対にやらなきゃ」と言い、歌を歌うことを申し出ました。グレゴリーはデヴィッドがいかに早くボーカルパートを録音したかに驚きました。「午後と夕方で、あっという間に全部録ったんだ」。デヴィッドはセッション料を受け取る代わりに、グレゴリーに当時制作中の「Wild River」でギターとメロトロンを演奏するよう依頼しました。グレゴリーは当時を振り返り、「ジェネシスでの経験が彼を奮い立たせたんだ。『ほら、これが俺のできることだ。そして、お前に見せつけてやる』と言っていた。それが彼にとって大きなモチベーションになった。彼は拒絶されたと感じ、より一層努力しなければならなかった」と語っています。「ビッグ・ビッグ・トレインのサウンドエンジニアであり、デヴィッドの友人でもあるロブ・オーブリーは、今年初めにアルバムのリミックスを依頼された。 「彼が亡くなったことは今でも悲しいですが、『ワイルド・リバー』は素晴らしいアルバムなので、再びリリースされる必要があったのです」。『ワイルド・リバー』について最後に語るのはサラだ。「20年前のアルバムとは思えません。とても現代的で、今聴いても新鮮で、それがデヴィッドの才能を物語っています」とユーイングは語る。「客観的に見るのは難しいですが、若い頃のデヴィッドの声が聞こえます。そういう意味では、これは美しいタイムカプセルです」。アルバムのアナログ盤には2004年のライブ録音曲が4曲、CD盤にはライブ音源が9曲収録されています。アナログ盤とCD盤の両方に、2004年版には収録されていなかったボーナス・スタジオ・トラックが1曲収録され、CD盤にはスタジオ録音曲のエクステンデッド・バージョンが1曲収録されています。