詳細：モンテヴェルディの「聖母の晩祷」の録音は数多く存在しますが、この録音の特別な点は、スペインの舞台演出家カリクスト・ビエイトによる舞台演出の上演を経て制作されたことです。これからは、舞台演出による「聖母の晩祷」への探求の続編として、音楽的な探求へと進んでいきます。イル・グスト・バロッコは2017年以来、マンハイム国立劇場でオペラ演出家アルブレヒト・プールマンが主導する4部構成のモンテヴェルディ・サイクルに客員アンサンブルとして参加しています。音楽家の観点から見ると、典礼に根ざした音楽の舞台演出は、宗教儀式や舞台演出のないコンサートでの演奏とは明らかに異なります。オペラの上演に先立つ時間のかかるプロセスの中で、場面、イメージ、人物像が徐々に形作られていくのです。それぞれの舞台人物像において、登場人物は感情的な真実を探求し、そこから芸術性、美的個性、そして信憑性が生まれ、最終的には言葉と音色によって聴衆の共感を引き出し、魅了します。この録音のもう一つの重要な特徴は、すべての器楽パートと声楽パートにおける多数のディミニテーション（縮小）です。これらはすべて、その瞬間に即興で演奏されました。オペラ舞台のための舞台装置の準備が共同で進められる中で、聖母マリアの晩祷の各楽章は、劇的シークエンスの中で明確な感情的空間を獲得しました。したがって、各セクションとその基本的なキャラクターは、それぞれの公演とこの録音のために、その瞬間に定義され、創造されました。